人種間平等に取り組む団体への支援

Google.org では 2015 年以降、Google.org Fellowship を通じて 4,000 万ドルの助成金と 50,000 時間のプロボノ活動を提供し、人種間平等のために闘う団体を支援しています。

私たちの社会では、機会は均等ではありません。黒人のコミュニティは、数世代にわたり、それを身をもって体験してきました。体系的な人種差別は、抑圧的な差別政策と破綻した刑事司法制度という遺産を負の遺産を生み出しました。黒人が米国の人口に占める割合は 12% に過ぎませんが、同国で刑務所に収監されている人数で言うと、その約 40% が黒人です

Google は、過去 5 年にわたり、データ サイエンスと革新的な手法を使って刑事司法制度におけるバイアスを特定し分析している組織を支援してきました。この活動を土台とする新たな取り組みのほか、福利、教育、健康などのさまざまなセクターにわたって人種による受益の差異を減らすための活動への資金提供を行っています。

良質なデータを世の中に広めて刑事司法制度の公平化を図る

非営利団体では、複雑なデータセットをわかりやすく実用的に処理するために必要なスキルを持つ人材の雇用や確保に苦労することがあります。Google では、こうした問題への対策として、Google.org Fellowship を通じ、エンジニアリング、設計、データ サイエンスなどの分野の知識を持った Google 社員と、刑事司法制度に第一線で取り組む団体との連携を図っています。

MFJ データポータルのプロダクトデモ

警察の行動におけるバイアスの測定

Center for Policing Equity(CPE)では、警察の活動におけるバイアスを測定しています。2017 年、Google.org Fellows の 10 人のフェローが CPE と協力して、停止命令や実力行使などを含む警察の行動について統計を取る米国初のデータベース National Justice Database の作成に貢献しました。2020 年には、新たに 14 人のフェローが、国全体でさらに多くの警察署において透明性を高められるよう National Justice Database を拡大して、CPE をサポートします。

法域ごとの刑事事件の実績比較

Measures for Justice(MFJ)は、米国の刑事司法制度の実績をデジタル化して分析しています。2016 年、Google は 150 万ドルの助成金を MFJ に提供し、その活動を米国全土に広げられるよう支援しました。また、Google.org Fellows が、全土の郡について逮捕から有罪確定後までの事件処理状況を測定する MFJ の比較実績データポータルの設計変更をサポートしました。このような比較データはこれまで参照できませんでしたが、現在ではすでに、政策の伝達と改革の推進のために地方検事や地域の指導者によって利用されています。

地方刑務所の収容者数データへのアクセスを可能にする

かつての米国には、最新の刑務所収容者数に関する包括的データがありませんでした。Google は、2017 年に Vera Institute of Justice に 400 万ドルを、2019 年には Google.org Fellowship を提供して、リアルタイムで公開される初めての地域別拘留データセットの開発を支援しました。2020 年に米国の COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染率が上昇し始めたとき、テネシーケンタッキーなどの州で、公判前拘留中の人々の特定と釈放に Vera のデータが利用されました。2020 年 3 月以降、米国の総拘留人数は 25% 減少しています。

人種による受益の差異を減らす

人種による受益の差異を減らし黒人の生活を充実させるための取り組みを、ほかにもいくつか紹介します。

人種による受益の差異を減らす Daniel E. Dawes 氏(モアハウス医科大学サッチャー ヘルス リーダーシップ研究所ディレクター)の顔写真 Elle Hearns 氏(マーシャ P. ジョンソン研究所の創設者でエグゼクティブ ディレクター)の写真 ノートを取る 3 人の有色人種生徒の写真 ノートパソコンに向かっている人の写真
  • 黒人経営の中小企業に投資するコミュニティ バンクへの支援

    助成対象となった Opportunity Finance Network を通じて、Google は 500 万ドルの Google.org 助成金と 4,500 万ドルの融資を提供し、黒人が運営する事業とコミュニティを支援する Community Development Financial Institutions(CDFI)を支援しています。Google は合計で 1 億 7,000 万ドルの融資と 1,000 万ドルの Google.org 助成金によって、CDFI とその取引先企業を支援してきました。

  • 人種別の COVID-19 データの細分類

    Google は、100 万ドルの助成金と Google.org Fellowship を提供して、モアハウス大学のサッチャー ヘルス リーダーシップ研究所による人種別 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)データなどの人口統計情報の収集とマッピングを支援することで、人種間格差を明らかにする取り組みを支援してきました。データは、公衆衛生政策に健康の公平性を取り入れ有色人種コミュニティへのサービスを向上させようと努める研究者や地域のための資料として役立てられます。

  • 社会的に最も疎外されている黒人コミュニティに目を向ける

    Google は、1,200 万ドル拠出の一環として、50 万ドルをマーシャ P. ジョンソン研究所に提供しました。同研究所は、米国の黒人トランス女性に対する暴力を終結させるための活動や、COVID-19 パンデミックの影響を受ける人々に直接的な現金援助を提供する活動を行っている組織です。

  • AP® STEM クラスに登録する有色人種生徒の数を増やす

    有色人種の生徒と低所得層の生徒は、同世代の他の生徒と比べてコンピュータ サイエンス(CS)コースを受講する割合が少なくなっています。Google は、1,000 万ドルの助成金を提供して、Rising STEM Scholars Initiative の立ち上げを支援しました。これは、AP® STEM および CS コースで学ぶ有色人種生徒数をベイエリア全体で増やそうという取り組みです。現在までに、参加高校で AP® CS コースを受講する黒人とラテンアメリカ系の生徒の数は、それぞれ 3 倍と 4 倍に増えています。

  • 黒人求職者への支援

    黒人求職者のスキルアップを支援する Google の 1,500 万ドル拠出の一環として、Google.org は、500 万ドルの助成金を National Urban League に提供しました。これは、教育、住宅供給、コミュニティ発展を通して米国の黒人の経済的自立を推進する活動に専心している組織です。また、需要の多い分野の仕事向けの実践的スキルを教えるオンライン コースである Google の Career Certificates で黒人求職者が資格を得るための支援として、600 万ドルの助成金も提供しました。

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